河内のおっさんのblog

大阪南部の南河内の歴史と文化、風土に育まれた笑いと人情の紹介です。

茶話174 / もこもこ

 なぜか無性に食べたくなった。
 「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー
 藤田まこと出世作てなもんや三度笠』の中で使われた宣伝文句だ。
 駄洒落を使って無理やり言葉を加えていくので「付け足し言葉」という。この昭和を代表する名文句で前田製菓は一躍有名になった。
 その前田のクラッカーが食べたくなった。

 ところがどっこいごっつぁんどすこい。
 どこにも売っていないイナイバー。
 藤井寺市前田製菓の直営店があるので行ってみたが、なぜか売っていない。
 やっぱりさっぱりちんぷんかんぷん。
 困った困ったこまどり姉妹
 やけのやんぱち日焼けのなすび。
 どうぞかなえて暮の鐘。
 インターネットで検索したら、なんと有馬の温泉饅頭
 売っているのは、水金地火木百均ダイソー
 何のこっちゃ、抹茶に紅茶。
 驚き桃の木山椒の木。
 願ったり叶ったり 晴れたり曇ったり。
 蟻が鯛なら芋虫ゃ鯨と買いに行った。

 60年前に食べた時は20円。黄色い袋だと思っていたが、赤い袋になっていた。調べてみたら、昔のは、黄色ではなく透明の袋で、中身が見えていただけだった。
 それに、藤田まことが宣伝文句を言う時に差し出していたのは、丸い小粒のバタークラッカーではなく、四角い形をしたランチクラッカーだった。
 当たり前田と思っていたのが当たりまえではなかった。
 人の記憶なんぞ曖昧なものなんだと合点承知、あたりき車力よ車引き。
 懐かしい味を肴にして一杯飲む、曖昧糢糊もこと虫の這いだす啓蟄に。