去年は、我が家のガレージで秋冬野菜の苗を育てていた。なんといっても、水道水が使えるので水やりが楽だった。ところが、コンクリートの上なので、熱がこもりやすく多くを枯らしてしまった。
そこで、今年は、前もって最初から、畑の土の上に置いて、遮光ネットで日差しを遮って育てている。それでも、この猛暑ではおぼつかない。
そこで、転ばぬ先の杖!
もしもの時のために、10種類ほどの種を蒔き直すことにした。

防災の心得に、よく口にされる「居安思危(こあんしき)」という四字熟語がある。
「安(やす)きに居(あ)りて危(あや)うきを思(おも)う 」と読む。中国の故事の一部で、この後に「思えば則(すなわ)ち備えあり 」と続く。そして、よく知られている「備えあれば患(うれ)い無し」で終わる。
原文は「居安思危 思則有備 有備無患(『春秋左氏伝』)」となっている。
この猛暑に備えて、平穏安全な時から危険について考える。すると、何とかしようと準備する。事前に備えていれば心配はなくなる。
まったくそうだと思いながら、ビニールポットに、丁寧に種を蒔いていく。蒔き終わって、農小屋の横の水路の流れで手を洗う。洗いながら、別の故事が頭の中を流れる。
「水は低きに流れ、人は易き(やすき=安易)に流れる(『孟子』)」。
はぁーとため息。家から離れた畑の苗の世話に、一日何度も脚を運ばなければならない。なんとも邪魔臭い。 易きに流れたい気持ちになる。
空を見上げて、流れて行く雲を見る。
行雲流水。
その時ゃその時、在るがまんまに流れよう!
人の体の60%は、水なんだから。