夜中に家に帰ると、外で誰やらかが呼ぶ声がかすかにする。なにかあったのかと恐る恐る外に出たが誰もいない。耳をすましてみるとかすかな声で「おーい、おーい」という声。声はどうやら庭の方からしている。

行ってみると誰もいない。しかし、確かに声はする。鬼門にあたる所が草むらになっていて、声はそこからする。しかし、人影はない。地面……土の中から「おーい、おーい」。怖いもの見たさで10センチほど掘ってみると……。人……。人の形をした人参だった。

※九州国立博物館所蔵「津島宗家・人形人参」のスケッチ
中国の昔話である。中国、韓国で作られる薬用人参の根は人の形をしている。『李時珍』には「人参其の根の人の形の如きは神の有るなり」とある。そこから人参は万病に霊験あらたかなものとして栽培された。
『兼葭堂雑録』という本に、延享四年(1748)六月にシャム人(タイ人)が日本に持ってきた広東産の男女の人参の絵がある(国立国会図書館デジタルより)。

人の形に近い人参ほど高額で取り引きされたという。
江戸時代までの人参は「朝鮮人参(オタネニンジン)」であった。今の短くて太く赤いニンジンが日本に来たのは明治になってから。
というわけで久々に畑を耕し、畝をたてた。秋の畑のスタート。まずは、ニンジン!